ゆでガエルはゆだりながら日記

ゆだりきったら左様なら。

夜明けのまぼろし

こんにちは。

 

私,寝床に入るのが比較的早い人間なのですが,寝付きはよろしくなく,たいてい毎日布団の中でゴロゴロしているうちに,日付が変わった頃なんとなくうとうとし始めるという生活を,何十年となく送っております。

 

とはいえ朝起きる時間は変わらずで,しかも年を取るたびにだんだん朝が早くなってくるので,睡眠時間は減るばかり。

 

そんなわけで,寝ている間に夢を見る,ということはほとんどありません。

 

なのですが,ここ数日,やけにはっきりした夢を立て続けに見るのです。

 

①女房,子どもと,世田谷か川崎あたりから私鉄のようなものに乗って,途中下車しながらあちこちをぶらつく

②伊豆あたりの離島で職人的な人々と釣りをする

③(10数年前になくなった)祖父と高級ホテルのバーにいる・・・ちなみに祖父は全くの下戸です。

 

3日連続で夢を見るということは,これまでの人生でも経験のないことだと思います。

 

①山の手途中下車の旅

  最初に見たのがこいつです。そして一番具体的で奇妙な夢でした。

  ある日,かみさんが用事があってどこぞの土地に行こうと言い出し,私と娘もついていくことになりました。東急線のような電車に乗ってついたところは,多摩川の河川敷のようなところ。大きい駅で,割と高い高架の上にホームがあるようなところでした。

  その土地で何をしたのかはよく覚えていませんが,ともかく所用が済んで帰ろうということになり,渋谷方面の電車に乗り込みました。

  不思議だったのはここからで,真っ直ぐ帰るのかと思いきやあちこちの駅で女房子供が途中下車をします。私も慌てて電車を降りるのですが,2人は先にどこかに行ってしまって,私は土地勘のないところに取り残されてしまう。必死になって女房子供を探すのですが,例えばある駅では地下の改札口を降りるとすぐに,昭和じみた感じの,布団やら布切れやらを大量に並べている店の中に入ってしまう(川口周辺に詳しい方は,「ヤ○イチ」というお店の中に紛れ込んでしまったと思ってください)。店はロードサイドのドン・キホーテばりにむやみに大きく,その後どうにかこうにかして店そのものから出るのですが,地下の商店街みたいなものが先の方まで伸びていて,ここを抜けると今度は大森の駅前のようなモジャっとしたところに出てきてしまう。

 別の駅では,河川敷沿いの道を歩くことになるのですが,ある地点から透明度の高い疏水をたらい舟のようなものに乗ってすーっと下っていったり。水が綺麗で小魚も泳いでいて,ところどころで近所の子供も水遊びしています。たらい舟はなかなかの速度で進むので微妙におっかない気もしましたが,気持ちよくもあった。

 さらに次は,東京の古い町並みなんかでよくあるむやみに細い路地,これがくねくねと折れ曲がっているところに迷い込んでしまい,アップダウンもそこそこある路地をうろうろしていると古い石造りの建物にぶつかります。入り口はいくつかあるようで,私が入ったのは建物の2階にある入口,中にいる人に促されるままに上の階に上がると銭湯のような作りになっていて,とはいえまず目の前に広がるのが休憩室のような場所になっています。風呂場自体は薄暗くはあるのですが小綺麗で,それなりに気持ちよく風呂に浸かることができました(おそらく,しばらく前に訪れた長野・諏訪の「片倉館」のイメージがあるように思います),それは良いにしてもなぜに風呂に入っているのかは自分でもよくわかりません。

 風呂場の建物を出てからしばらくまた街をうろうろしてやっと駅にたどり着き,渋谷方面の電車に乗り込むことができてホッとします。ただ,最後まで不思議なのは,到着した駅が「渋谷イーストサイド」(実在のライブハウスではありません)なる駅で,どうもこれが私の住む方面への路線につながっている模様。当然「ウェストサイド駅」もあり,(うつらうつらの状態ではありますが)そっちに行ってはいけない意識は強くあったように思います。ともかく,その「渋谷イースト」から山手線的なものに乗って(その記憶はありませんが)帰ったようです。

  このあたりではっと目覚めて時計を見ると,いつもの起床時間。習慣というものは恐ろしいもんです。

 

 ②家の中の釣り堀

  気が付くと古民家のようなところにいます。家の真ん中の部分は床が張られておらず,生簀のような水場があるのですが,ただし正確には生簀ではなく,水場は表の海とつながっているようです。つまりはあまり大きくない家の真ん中部分が海とつながった釣り堀のようになっています。

  5~6人のおじさんが周りにいたでしょうか。水場に釣り糸を垂れてじっと睨んでいます。水は澄んでいて,あまり深くはないのですが底のほうまでよく見える,だから針に魚が食いつけばすぐにわかります。

  そんなところで私も釣りをしていたのでした。けれど,私はまともに釣りをしたことがなく,糸を針につけることもできないので,周りのおじさんに手伝ってもらいます。しかもへたくそなので,糸を投げ込む(後から考えれば狭い家なのでただ糸を垂らすだけのはずなのですが,寝ている間のことです,おかしいこともあります)際に,他の人の糸に絡まってしまって迷惑をかけたり。そんな針に魚が食いつくはずもなく,私としてはあまり面白くありません。

 そんなこんなのうちにおじさんたちが三々五々帰り支度を始めます。もうお開きかと思って私も帰り支度を始めると,外から船の汽笛が。どうも,この船に乗らないと帰れないようです。そんなときに限って,靴が見当たらない。ほかの人はもう家を出てしまっています。ということは私の靴だけが残っているはずなのですが,それがない。取り違えられたというわけでもない。私は非常に焦りました。結局,いつもはいているものではない靴が見つかり,それをはいて急いで船に乗り込んで一件落着なのですが,そもそもなんで釣りをしていたのか,何なのでしょう。

 

③帝国ホテル?のバーラウンジ

 マホガニーの調度が重厚な感じを醸し出す高級ホテルのバーにいます。周りにいるのはタキシード姿の紳士ばかり。私も(着たことがないのに)タキシードを着て,スコッチだか何だかをなめています。ここ,私は勝手に帝国ホテルだと思っているのですが,もちろん帝国ホテルのバーなど行ったことなどありません。

 不思議なことにこのバーの,入り口からフロアに至るまでの階段,むやみに段差があります。一段が大人の膝くらいまでの高さがあり,だから上り下りするのに「どっこいしょ」となります。なぜこんなエレガントからほど遠い設計なのかは謎ですが,ともかくフロアでグラスを傾けていると,ずいぶん前に亡くなった祖父が,やはりタキシードを着て(着るものにはこだわりのある祖父でしたが礼装なんて見たことない)この階段をえっちらおっちら降りてきます。私も驚いて迎えに行くのですが,さらに驚くのはフロアに降りるなりバーテンダーに洋酒をロックで注文するのですね。祖父は奈良漬けでも酔っぱらってしまう下戸なのですが,この日は服装も「親分」じみていて,長いマフラーなんか肩に羽織っていたりします。この後何をどうしたかは記憶にありませんが,夢の中でも祖父に出会えたのはなんだか幸せなことでした。

 

 オチはなく,こんなところで。