ゆでガエルはゆだりながら日記

ゆだりきったら左様なら。

ポピュリズムと国際政治についての妄想

こんにちは。

 

先日,皮膚科に行く用があって,処方箋を出してもらったのですが,そのあとのスケジュールが詰まっていたのでその日のうちに薬をもらうことができず,翌日,職場の近くの調剤薬局で薬を出してもらうことになりました。

ふつう,調剤薬局って近場の病院・クリニックの処方箋を主に扱うはずなので,全然違うところの処方箋を職場近くで扱ってくれるのか,正直よくわかりません,というか案の定,最初に行った薬局では一部の薬が足りないので,少し時間をもらいますよという話でした。

まあそんなもんだなと思いつつ,ただうちの職場は病院が近いんですね。だから調剤薬局もたくさんあって,ダメもとでもう一軒行ってみました。

すると,ここでも一部足りない薬があったのですが,対応してくれた薬剤師のお姉さんが「ちょっと待ってくださいね・・・」といいながらあれこれ手配してくれて,「〇〇時になればご用意できると思いますが,どうしますか?」とすぐに答えてくれたんですね。

結局,そこの薬局では私の仕事帰りまでに薬を用意してくれて,晴れて薬をもらって帰ることができました。

調剤薬局に「サービスの差」なんてものを期待するのはお門違いな感じですけれど,どうにかして薬を用意してくれようとしてくれたのは,なんだかうれしいことでした。

 

さて,それはそれとして,どうもこのところ,国際情勢についての報道を見たり聞いたりしていると,なんだか心配な気がしてきます。

 「お前などに言われなくても」とのツッコミは当然のこととして,このところ頭に浮かんだことを書き出してみます。

 

いまさら言うまでもなく,トランプ米大統領の登場以降,「自国ファースト」を標榜する政治家があちこちに増えてきました。アメリカに限らず,最近はいろんな国で「〇〇のトランプ」と呼ばれる(あるいは自称する)人々が現れています。

アメリカだろうがほかの国であろうが,そういったポピュリスト政治家の主張が国内問題にかかわるだけならばどうぞご勝手に,なのですが,当然ながら対外的にもあれこれ影響が出てきます。

アメリカだけ見ても,パリ協定離脱,INF全廃条約の破棄など,「その約束事を作るのにどれだけの苦労があったのか知ってるの?」と言いたくなるような無茶な決定に驚く次第なのですが,しかし一主権国家に対して,外国がなにがしかの決定を覆させるようなことはできません。

約束事をなかったことにする,ということであれば,繰り返し賠償を要求してくる「あの国」も同様ですよね。日本人的には,もうどうしたら納得してくれるのかわからない勢いです。そしてこの国も,軍事機密にかかわる協定からの離脱を宣言してしまいました。

繰り返しになりますが,ある国の政治家が何らかの決定をするにも,事前・事後的に国民からの評価を受けることになるわけで,何でもかんでもやりたい放題にはなりません。

しかしここで私が気にしているのは,外国との約束事を破棄することは簡単だけれども,復活させるのは難しい,そんな決定が今やあちこちの国で行われているということです。

他方,「国際社会」なるものが機能不全を起こしつつあるのはこないだのG7サミットでも露呈しています。

つまり,「自国ファースト」を掲げる国の決定を食い止めたりする抑止力はなく,これらの国々と関係している国は振り回されざるを得ない,しかし困ったことに,我々日本人はどうやったってアメリカ大統領を選ぶ権利はないので,やられっぱなしになるというわけです。

しかも,こうした政治家は,国内の一部の鉄板支持層に支えられてはいるものの,国民全体の広範な支持が得られているとはいいがたい。ごく短期的に言えば,これらの政権は他国を無視しても自国の利益を優先する,という選択にその国の人々も食いつくかもしれません。ただいつかは政権交代も起きましょう(今ここで挙げた2か国では特に)。しかし,一度反故にされた約束事をもう一回復活させるのは,非常に難しい話です。そこまでの労力を「次の」政権がいとわず費やしてくれるのか,あまり期待はできないように思われます。

 

冷静な意見は,しばしば「アツい」声にかき消されてしまうのは,今に始まった話ではありません。しかし「アツい」声が必ずしも正しいわけではない,民主主義といえば古代のアテネの話になりますが,直接民主政が完成したころから却っておかしなことになっていったのは,歴史の常識です。

 

そのあたりが気になる今日この頃です。