西洋近代美術(主に絵画)の歴史④新古典主義
こんにちは。
さてさてこの続き物,今日も綴っていきたいと思います。
④新古典主義(あるいは単に古典主義とも)
フランス革命の直前くらいから,啓蒙思想の普及も相まって絵画の世界にも理性と調和が再び脚光を浴びるようになり,フランス宮廷の美術の風潮はそれまでのロココに代わって,ルネサンス様式を範とする古典主義が再び現れます。今どきの言葉で言えば,「一周回った」というところでしょうか。
ただ,古典派の画家で代表選手を挙げよと言われれば,革命後の混乱の中で権力を握ったナポレオンのお抱え画家だったダヴィド(とその弟子のアングル)になるのはないでしょうか。基本的に,革命の時期の絵画やナポレオンの肖像画などはダヴィドのものと考えて結構です。
有名なものだけ挙げても・・・
・「アルプスを越えるナポレオン」(白い馬に乗っているやつ)
・「マラーの死」(入浴中のマラーがシャルロット・コルデに殺されたシーン)
・「ナポレオンの戴冠式」(ナポレオンが冠を受けるのではなく,ナポレオン自身が妻ジョゼフィーヌに戴冠させる場面)
などなど,この時期の絵が出てきて「作者は誰か」と聞かれたら迷わずダヴィドと答えて間違いはありません。
19世紀に入ってくると,美術が次第に大衆化していくのに伴い,さまざまな美術潮流が現れてきます。ただ,権威あるサロン(官展)はクラシカルなスタイルこそ正統という立場をとったため,のちにマネが苦戦するような状況も生まれてきます。
なお,ダヴィド,アングルの作品として,こんなあたりも触れておいたほうがよろしいでしょうか(おまけ)
:ブリア=サヴァランのろくでもないエッセイ『美味礼賛』にも登場する,当時の社交界の花形の存在。
・アングル「グランド・オダリスク」
:これもティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」に通ずるものなのでしょうか。
・ジェローム「カエサルとクレオパトラ」 :これ,教科書などでは「修正」が入っています(それに気づいた私も私ですが)。
続きます。