ゆでガエルはゆだりながら日記

ゆだりきったら左様なら。

2024都知事選狂騒曲 その1

2024年7月5日

 

今度の日曜日は東京都知事選だが,いろんな人が感じているように,どうも今回の都知事選は変だ。

 

候補者がやたら多くて(56人だったか)ポスター用の掲示板の枠が足りなくなってしまったり,そのポスターの中には普通の感覚で考えてどうかと思うものがあって一部地域で問題(または話題)になったり,これまで聞いたことのないようなことが起こっている。

例によってこんな文章を読む人はいないと思うので,あくまで自分の備忘のために思うところを書き散らしてみる。

 

① 主な候補者について

現職の小池百合子参議院議員を辞めた蓮舫,もと航空幕僚長としてなかなかライトウィングな考えをお持ちの田母神俊雄,そしてここ数か月でにわかに知名度が上がってきた前・安芸高田市長の石丸伸二の4氏が主要な候補と言われている。そのうち,前者3氏はもともと有名人で,実際ここ30年くらい,東京都知事はマスメディアで知名度のある人しか勝っていない(つまり青島幸男以降ということだ)ことを踏まえても,この人たちに注目が集まるのは理解できる。他方,石丸(NHK党が立てている「じゃない方」の石丸=アディーレ法律事務所はここでは話から切り離しておく)に関しては,私自身ほんとうにここ数か月くらいで名前を知った程度で,東京から遠い広島の市長など一般的な東京都民は知らなくて当然だと思う。けれど,YouTubeを眺めていて,自分の記憶からするとここ4~5か月くらいで急に石丸の安芸高田市議会に関する動画がおすすめに出るようになり,私も「そんな人がいるんだ」レベルの認識を持つようになった,という人だ(邪推すれば,都知事選立候補を見越して本人ないしは支持者がYouTubeの露出を増やしたようにも感じてしまう)。ともかくも「やり手の若手」といった印象だけれど,実際そんな経歴の持ち主らしい。

そんなわけで,「主要候補者」4氏のうち,石丸は「いわゆる有名人」ではない人で,異色といえば異色だ。特段「組織」をバックにつけているわけでもないようだし。これまで数回の都知事選でも特別な支持組織を持っているわけでもないような「有力」候補もあった。具体的は,そのまんま東とかワタミの社長とかがそんなあたりだが,少なくとも彼らは「有名人」ではあった(ワタミの社長はビミョーなところだけれど,ご本人が出たがりな人間なのでメディア露出は多かった)。対して石丸はYouTubeはじめSNSでの発信がある程度注目されているようで,ほかの候補とは選挙戦の展開の仕方が異なるように思われる(逆に,我が家のイエ電には蓮舫事務所のボランティアからのローラー電話があった,今どきでもこんなことがあるのかと驚いた)。

さてここまで「主要4氏」についてまとめてみたのだけれど,そういえば今回共産党が何もしていない。これまで数回の選挙ではだいたい2番手か3番手あたりに共産党推薦の弁護士・宇都宮健児が出ていたのだけれど,年齢の問題なのだろうか。共産党がらみの候補が出てこないのはよくわからないけれど(蓮舫が立民出身だから選挙協力しているのかな,知らんけど),初の「女性書記長」が就任して最初の都知事選なのだから,何かしら発信があってもいいのかなと思う。

 

あと,どうでもいいことなんだけれど,たまたまテレビで(サンデージャポンだったか)田母神俊雄がどこかの商店街で選挙活動している絵が出たときに,田母神の横に見たことあるような人がいると思ったら,高須クリニックの院長だった。YES!

 

 

② 主でない候補者

都知事選とか参院選とかで個人的に注目するのは,何をしようとしているのかよくわからない候補,率直に言って,「泡沫候補」とみなされる人々だ。今回もなかなかに「謎」な人がいる,と言ってみたときに,一番謎なのがNHK党の候補なのだが,そもそも彼ら一人一人が何をしたいのか発信していないので(選挙公報では一様にN党の主張を書いたもの,TOKYO MXでの政見放送でも映像を載せておらず,名前が読み上げられるのみ),無視する。というか,この人たちにはいろいろ思うところはあるけれど,一言にまとめれば「バカにするな!」ということだ。

というわけでそれ以外の候補者を眺めてみたときに,まあいますね。香ばしい感じの方々が。

シャーロック・ホームズ的なキャラクターの人。小池百合子にケンカを売っているらしい。いいから素顔を出せ。

・なんか昔のパソコンの広告で使われたような絵を載せている「AIメイヤー」。供託金を収めているのだろうからリアルな人間がやっているのだろうけれど,だったら素顔を出せ。

・「金持ち優遇」を謳うゴルフ党の人。私にもお金をください。

・「核融合党」の人。リアルなガンダムとか作ってくれるのかな。

稲川淳二みたいな似顔絵を載せている人。時期的にいい感じだと思います。

・宮家の養子縁組がどうとか言っている人。私みたいな下賤のものにはやんごとなき人々について云々できません(いや,まじめに考えれば,国民一人一人が考えるべきことであることはわかってますよ,冗談だって。JODAN JODAN)。

・「将軍未満」のラッパー。私とはヴァイブスが合わなさそうです。将軍的なものを持ち出すのなら,志半ばであの世に行ってしまった羽柴誠三秀吉(=「元気が出るテレビ」の「口ゲンカ王・三上君」のご尊父=青森・五所川原温泉に旅館を持ち,何年かに一度火事で全焼するのだけれどそのたびに火災保険で何とかなってた人=その青森の家すなわち城にミサイル発射設備を持っていた人=泡沫候補の代表選手の一人だけれど,財政破綻後の夕張市長選に立候補して私財を市に投入するという「主張」を展開して市長選で次点にまでつけたことのある人=その後に大阪府知事選に出るのかと思いきや,体調がすぐれたということで出馬せず,その後なくなってしまった人)を学んでいただきたい。

・そしてなんといっても今回の選挙の「目玉」は,やはりドクター・中松(※個人の感想です)。御年96歳。今回も発明で都政を刷新してくれるのか。ちなみに私自身は過去の選挙戦でドクターを2度見かけたことがあって,1度目は参院選だか何だかで新宿伊勢丹前を選挙カーで走っていたとき,2度目は都知事選の際に巣鴨の地蔵通りの入口のところでワタミの社長がじいさんばあさんを多数集めて演説をぶっている反対側で,ビールのケースみたいなのに乗ってトラメガをもって細々と演説をしていたとき。2度目の時には,資金力のあるなしということはわかるけれど,なんだか切ないなあと思いました。今回も候補者の中で唯一イグノーベル賞を受賞している人物のはずなのだけれど。

 

それにしても,やたらめったに候補者が多い今回の都知事選だけれど,ドクター以外はどうもパンチが弱い,ように思う。唯一神又吉光雄エスキリスト(帰天なされました)とかマック赤坂(まだ港区区議会にいるのかな)とか,古いところでは三井理峯とか東郷健(学生時代にこの人の「講演会」に行ったことがある)とか,こういう「濃ゆい」人がいると面白いのだけれど,いかんせん今回は小粒感が否めない気がする(※個人的な感想です)。

 

けれど,ここにあげたような人たちに関しては,その主張をどう捉えるかはともかくとして,一人の候補としては認めてあげたいと思う。内容のいかんを問わず,少なくとも「自分の頭で考えた主張」を,「身銭を切って」(多少の寄付とかはあるかもしれないけれど)世に問うているからだ。先ほどN党については問題外としたが,「そもそも当選する気がない」と公言していたり,選挙後に改めて議論になるのだろうけれど選挙ポスターの掲示枠を「販売」したりと,そもそも選挙をやる気がない。それに加えてさらに質が悪いのは,「良識(ないしは常識)のある人間が候補であるならばこんなことはしないでしょ」という一線を,平気で踏み越え,踏みにじっているとしか思えない。売名目的で選挙とは関係ないポスターを(税金で作った)掲示板に貼るんだったら,渋谷あたりの人目につくところだけじゃなくて,東京の辺境の我が家の周りに貼ってみろ,と言いたい(実際やられたらいやだけど)。

 

ちなみに,東京の辺境の我が家近辺でも,ドクターのポスターが貼ってあったのは素晴らしいと思いました(支持者の方でもいるのかな)。こないだ衆院の補選で五体不満足な人たちの選挙活動を妨害していた人のポスターすらないのに。

 

毎回選挙の時には,真面目なことも考えれば多少不真面目なことでふざけたりもしつつ,なるべくちゃんと注目しようとは思っているのだけれど,とりあえず今回はなんだか変なので,思いつく限りのことはまとめておこうと思う。