ゆでガエルはゆだりながら日記

ゆだりきったら左様なら。

閉める店,なくなる味③

こんにちは。

 

三寒四温という気候にはまだまだなっていないように思うのですが,梅が咲いたりし始めて,だんだん春が近づいているのかなという気もする今日このごろですね。

先日も,職場の行き帰りに通る道でここ数日開き具合を楽しみにしている梅の花の様子を眺めたりしていたら,なんともいい香りが漂ってきました。

花の種類には詳しくない無粋な40代でありますので,なんの香りかわからなかったのですが,金木犀なのかなと思って調べたら,どうも季節ではないらしい。この時期,金木犀にも思える香りを放つ花は何なのかを調べたら,沈丁花の花であったようです。

 

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花の香りに心動かされるようなことがあるなんてこの年になるまで思いもよりませんでしたが,最近は行き帰りにこの花の前を通るたびに香りをかぐのが楽しみになってきています。

 

さて,このシリーズもひとまずここで区切ろうと思います。

 

3.S商店(青果店

ここ,八百屋さんです。じゃあなんでお弁当シリーズに登場するのかというと,数年前までお昼に弁当販売をやっていたんですね。八百屋さんとしては,いまでも立派に営業されております。近所でも働き者として評判のご主人が朝から晩までパタパタ頑張ってらっしゃいます。

 

日替わりでメニューが変わるのですが,基本的に月・水曜日がご飯物,火・木曜日が麺類,金曜日はカレーという具合でした。

基本的にはお家の料理なのですが,そこはさすが八百屋のお弁当,野菜はふんだんに使われています。特にうどん・そばのときなどは,例えばきつねうどん(油揚げは細切りになっています)のはずなのに,小松菜やら人参やらがわんさか入っていて,ある程度具材を食べないと麺にたどり着きません。方向性は全く異なりますが,二郎系ラーメンのような盛り方です。

 

また,とりわけ水曜日に多かったのですが,ネギトロ丼とかうな丼の日もあったりしました。サービス精神が旺盛なので,盛り方が半端ではありません。そもそも使っている器が,ラーメンどんぶり並みの大きさ。うっかりご飯大盛りで頼んでしまったりすると,相当ずっしりと重量を感じます。その上にネギトロなりうなぎなりがみっちり敷き詰められて,800円しなかったのではないでしょうか。もちろん,こんなのを食べてしまった日には,20代だった私でもかなり苦しかった。もちろん食後は相当眠くなります。

 

しかし,ここのお昼で一番印象深いのは,なんと言っても金曜日のカレーです。器はカレー用のものになりますが,盛り方はいつもどおり半端ないので,ご飯は必ず圧縮され,ルーもたっぷりなのでかなり慎重に持っても(デスクにつくまで水平を保とうとしても)たいてい蓋から漏れてきます。しかも,カツの切れ端やらなんやらをサービスで一つ二つ入れてくれたりするので,器の中はもうてんやわんやです(むしろ,大盛りにするとご飯とルーで器が2つに分かれるので,あえて大盛りを頼む人もいました)。なお,それでも私はよく生卵を入れてもらっていました。

カレー自体はやはりおうちカレーの延長ではあるのですが,食べ進めているとときどきローリエの葉っぱが顔をのぞかせたりして,やっぱりちょっと一味違ったりします。それに大鍋で大量に作っているのも美味しかった理由かもしれません。

 

毎日お弁当を作り続けるここの奥様は大変だったと思います。そんな事もあってか,数年前,店を改装するにあたって,お昼の販売がなくなってしまいました。ちなみに改装の理由は,ご家族の方がここでレストランをやる事になり,そのために店の奥のスペースを提供したからでした。このレストランは殆ど入ったことはないですが,今でも続いているところを見ると,それなりにお客さんも入っているのだろうと思います。

 

奥様もまだご健在のようなので,年に一度とかでいいので,あのカレーを復活してもらいたいとも思うのですが,まあないですかね。今でもあのカレー,ちょっと懐かしく思い出したりするのです。

 

では。